10月20日(現地時間)、アップルの Special Event で、まったく新しい MacBook Airが発表されました。
4GBのメモリが積め、ガラストラックパッドになるということに加え、11インチモデルが出たことで、今回、わたしもついに MacBook Airを初購入しました。
今まで15インチが自分の可搬性と性能のバランス点と考えていましたが、性能を割り切っていいと思えるほどのサイズで登場したのが大きなポイントでした。11インチなら、ほんと気軽にバッグに放り込んで出かけられますもんね。
ところで、Special Event では毎回すっかりおなじみとなった macwebcaster による同時通訳番組がありますが、今回、縁あってイベント開始前に行われた「直前予想トーク」にゲスト出演させていただきました。
その中でも話しましたが、わたしが一番期待をしていたのは、やはり MacBook Air でした。
そして、Special Event では期待どおりに (期待以上のものが) 発表され、Apple Store の再開とともにすぐさまオンラインで注文へと。ちょうど、macwebcaster 関係者で番組終了後の雑談をしていたときでした。
そんな MacBook Airですが、4GBメモリ、1.6GHz Core 2 Duo、USキーボードにカスタマイズしたので、到着したのは5日後の26日でした。5日間の待ち遠しいことといったら!
最初に起動したときは、こんなちっちゃいマシンで正真正銘のフルバージョンMac OS Xが動いているという事実が、現実的でないというか、何だかやっちゃいけないことをしているような気持ちにもなったほどです(笑)
それから10日ほど使っていますが、すでに多くの方々がレビューされているとおり、CPU速度などのスペックから考えるよりも格段にサクサク動作します。これはハードディスクの代わりにフラッシュストレージ (いわゆるSSD) を採用していることが大きいのでしょう。
それまでは、MacBook Pro (15-inch, Mid 2010, 2.66GHz Core i7) のドライブをSSDに載せ換えたものを使っていたのですが、通常の使用では、その動作にまったくひけを取りません。起動時間にいたっては、MacBook Air のほうがちょっと速いくらいです。
最初は、11インチ、1kgというかなり気軽にどこでも持ち運べるサイズということで、ここまでコンパクトなら非力なパワーでも割り切って使えるだろうと考えていましたが、このサクサク感は嬉しい誤算で、ここまで快適とは予想だにしていませんでした。
普段の作業においては、CPUパワーよりも、I/O部分の速さが大きく影響するということを、まさに身をもって知らされた気持ちです。
これでストレージの容量が128GBでなく、13インチに搭載されている256GBあれば、ほぼメインのマシンとして使って問題ないくらいです。
(動画のエンコードなどの重い作業は別として)
さて、今回のイベントで、Mac OS X 10.7 Lion とともに発表されたものがあります。
iPhone / iPod touch / iPad 向けのアプリを取り扱う App Store (iTunes) の Mac アプリ版です。これが、90日以内に登場すると発表されました。
その Mac App Store ですが、新しい MacBook Air とともに発表された、そこに意味がありると考えます。
皆さんは、2008年1月の Macworld Expo で、初代 MacBook Air が発表されたときに同時に発表されたものが何だったか覚えていますか?
それは、iTunes Movie Rental と Time Capsule です。
このブログで初代 MacBook Air が発表されたときに、ここで記事を書きました。
そのときに書いたのが、
Appleのこの製品に込めたメッセージは「光学ドライブはもういらない」です。
そして、同時に発表された iTunes Movie Rental、Time Capsule を光学ドライブに取って代わるソリューションとして、
DVDを観る?CDを聴く?→ iTunes Storeでレンタルするなり買うなりと挙げました。
バックアップをDVDに焼く?→ Time CapsuleでTimeMacine使えばもっと楽
ソフトウェアのインストール?→ 他のマシンから一時的にドライブを拝借(Remote Disc)
(Remote Discはちょっと苦肉の策っぽい感じもしますが、すでに多くのソフトウェアがオンラインで販売されていたりもしますし、もしかしたら近い将来光学ディスクを見ることが稀になるかもしれません。)
この3つめです。上でも書いているとおり、Remote Disc はちょっと苦肉の策っぽい感じがありました。
そこをさらに進めていくのが、今回の Mac App Store と言えます。
ソフトウェアのインストールにおいて、光学ディスクの代わりとなるべく、満を持して登場したのが Mac App Store ということです。
たいていのメーカーは薄くするという命題がまずあって、そのために光学ドライブを省くのですが、アップルのアプローチは光学ドライブを省くだけでは終わらず、それに代わる仕組み自体を同時に提供してくることにその特徴と先進性があります。
そしてそこには、光学ドライブに代わるソリューションが用意でき、その結果として初めて薄い MacBook Air のようなマシンを作ることにしたという、普通のメーカーとは逆ともいえる方向性も見てとれます。
まず第一に来るのは、カタログに載るスペックではなく、ユーザーの利便性なのです。
本体サイズのためにキーボードを小さくしたり、実用的とは言えない高解像度のディスプレイを搭載したりしないのは、そういうことです。
初代 MacBook Air のときに「Appleのものづくりのひとつのマイルストーン的なプロダクト」と書きましたが、それが今回のモデルチェンジで、更なるステージへと進んだと言うことができるでしょう。