発表から2週間経った MacBook Air。PBWEB.jpでも、発表当日にMacBook Airのカテゴリを作って、さっそくスペックを掲載しました。
米国ではすでに出荷もされていると言うことで、日本でも早く実物が見たいものです。
わたしの中での性能と可搬性のバランスはやっぱりMacBook Proなので、購入することはないと思いますが、実物を見たらどうなるかわかりません(笑)
そのMacBook Airですが、どうも世間ではメインマシンを持つ人のサブマシン的な位置づけと捉えられているように見受けられますが、Appleは果たしてこのマシンをサブノートとして開発したのでしょうか?
MacBook Airが発表された同じMacworldの基調講演で発表されたものの中に、iTunes Movie Rental、Time Capsuleがあります。
実はこのふたつが、MacBook Airを世に出すためには欠かせないものだったのです。その下地があったからこそ、フルスペックノートしか出さなかったAppleから光学ドライブを廃止したMacBook Airが登場したと言えます。
薄型ノートを出すに当たって、光学ドライブを廃止するというのはひとつの大きい部分ですが、Appleのアプローチは薄型が必要だから光学ドライブを廃止したのではなく、もう光学ドライブはいらなくなるからその結果薄いモデルをつくることにした、という方向だと考えられます。
そう、Appleのこの製品に込めたメッセージは「光学ドライブはもういらない」です。
普通のメーカーならば、薄型ノートを出してそれに繋ぐことのできる外付け光学ドライブを出したら、それでもうおしまいです。
しかし、Appleは光学ドライブに代わる新しいソリューションを同時に提案してきています。(それを実現するのに、ワイヤレスネットワークテクノロジーが中心となっているのが “Air” の名の由来でもありますね。)
DVDを観る?CDを聴く?→ iTunes Storeでレンタルするなり買うなり
バックアップをDVDに焼く?→ Time CapsuleでTimeMacine使えばもっと楽
ソフトウェアのインストール?→ 他のマシンから一時的にドライブを拝借(Remote Disc)
(Remote Discはちょっと苦肉の策っぽい感じもしますが、すでに多くのソフトウェアがオンラインで販売されていたりもしますし、もしかしたら近い将来光学ディスクを見ることが稀になるかもしれません。)
この、外付けドライブを出して終わりではないということは、このマシンがサブノートとしてではなく、光学ドライブのないメインマシンという方向で開発されたことを示していると考えられます。
妥協のないサイズのスクリーンやフルサイズキーボードを搭載していることからも、それは見てとれます。
たしかに、まだ光学ドライブ廃止やポート類の割り切りというのは時期尚早なのかもしれません(それを補うゆえの別売外付けドライブやRemote Discなのでしょう)。ワイヤレスLANの整備もまだ発展途上ですし、MacBook Air自体のCPU性能もメインマシンと言うにはちょっと力不足の感がします。
そういう意味では、MacBook Airのコンセプトに技術がまだ追いついていないのかもしれません。
しかし、今までもそこに切り込んできたのがAppleです。
レガシーインターフェイスやフロッピーディスクを廃止したiMac。使える周辺機器がないとかいろいろ言われながらも、結局はヒットし、そしてUSB周辺機器の爆発的普及のきっかけになったのです。
そして、今やAppleの屋台骨となっているiPodも然り。2001年に発表されたときに、今の状況をどれだけの人が予想できたでしょう。
既存のマーケットに合わせてものを作っていくのではなく、革新的な製品やサービスを世に出し、それをきっかけにして、周囲をまきこんで全体を変化させていく。
そんなAppleのものづくりのひとつのマイルストーン的なプロダクトが、MacBook Airと言えるのではないでしょうか。
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